泥上掘削機の特徴とシチュエーション別の活用例まとめ

泥上掘削機と聞いて、どのような機械かイメージできますか?

泥上掘削機とは名前の通り湿地帯(軟弱地盤)での掘削作業に特化した機械です。

では、泥上掘削機にはどのような特徴があり、どんな場面で活躍しているのでしょうか?

ここでは泥上掘削機について徹底解説します。

1.泥上掘削機とは?

アースオーガ

泥上掘削機とは、油圧ショベルの特殊架装の一種で名前の通り湖沼・河川・水路などの軟弱地盤での作業を目的とした車種のことで、通常のバックホウでは侵入できないような湿地帯や沼地・狭隘地でも作業を行うことができます。

1-1 泥上掘削機の歴史

河川の浚渫工事の歴史を理解するには15~17世紀の大航海時代まで遡る必要があります。

当時はヨーロッパから新大陸に向けて、大型船が続々と大海原へ乗り出すようになり、そのためには深水が深い港の建設が求められていました。

そして水底の土砂を撤去する浚渫工事のために大型船に人力でバケットを稼働させる浚渫船が考案され導入されました。

お椀型のバケットを人力で回しながら水底の土砂をさらう仕組みのため、多くの人手を要しましたし、工期も長期間に渡るものでした。

その後、馬を動力源とした浚渫船や蒸気を動力とした実用的な浚渫船が開発され、人々の発展を支える「建設機械」として活躍しました。

そして、クローラーが開発されたことで足回りの発展が進み、フロート構造を取り入れた泥上掘削機が登場することが引き金となり、一気に河川や海上への発展が進むことになります。

2.泥上掘削機の特徴

鉄道クレーンの能力を発揮するさまざまなシチュエーション

水上土木工事は陸上木工工事と比較すると作業の困難さや手間から長時間の工期と経費の増大を余儀なくされていました。

そのような課題を解決するべく開発された泥上掘削機ですが、どのような特徴があるのでしょうか?

以下に解説いたします。

2-1 フロート構造による大型のシューで唯一無二な活躍ができる

泥上掘削機の最大の特徴といえば、とても印象的な特殊な足回りです。

フロート構造の大型のシューで沈みにくい仕様になっており、湖沼・河川・水路などの軟弱地盤だけではなく水上においても作業することが可能です。

通常の重機では進入不可能な現場でも、優れた機動性を発揮します。

2-2 沼地などの作業に便利な専用バケットがある

泥上掘削機は沼地などの湿地帯での作業が主流となるので、掘削時の水はけを向上させることを目的とした網目のバケットや、浚渫工事の作業効率を向上させることを目的とした熊手タイプのバケットなど泥上掘削機専用のバケットがあります。

2-3 様々なサイズがラインナップされている

泥上掘削機はフロートのサイズを変更することで、様々な環境でも活躍できます。

ダムや大型河川での作業には42㎥ほどの大きなサイズが使用され、小型河川の浚渫工事には河川幅に合わせてコンパクトなサイズが使用されます。

2-4 組立てや分解が容易なので低コスト運送が可能

泥上掘削機は細かく分解できるので、トラックの荷台に積載して運搬し、現地で組み立てすることが可能です。

また、運送用のトラックのサイズを小さくできるので運送コストを抑えることが出来ます

2-5 バケット部分の付け替えによって様々な作業に対応できる

泥上掘削機はバケット装着部分に様々なアタッチメントを装着することが可能なので、地盤改良工事のためにロータリースタビライザーなどを装着して混合攪拌することも可能です。

3.泥上掘削機の活用例

アンローダー

泥上掘削機が活躍している様子をシチュエーション別に一部ご紹介します。

3-1 河川やダムなどの浚渫工事(しゅんせつこうじ)

河川の水路確保を目的として、雑草や底泥が堆積した区間を掘削する現場で泥上掘削機が使用されます。

維持修繕が必要な河川周辺には住宅地であることが多いのですが、河川内に籠って作業が出来るので周辺住民への影響を最小限にすることが可能です。

3-2 河川の維持修繕工事

泥上掘削機の最大の特徴ともいえるフロート構造の浮力を活かして河川内を自由に移動することが可能です。

その効果、仮設道路を造成する必要が無いので環境にやさしく低コストでの施工が可能です。

3-3 ダム貯水池の土砂の撤去工事

貯水容量確保のため、ダム貯水池に堆積した土砂の撤去工事に泥上掘削機が使用されます。

広いダム内を自由に移動しながら掘削作業が出来るので効率的です。

3-4 河川の地盤改良工事

ロータリースタビライザーを装着した泥上掘削機であれば軟弱地盤における地盤改良工事が容易に行えます。

4.まとめ

いかがでしょうか?

今回は泥上掘削機の特徴とシチュエーション別の活用例ついて解説しました。

泥上掘削機の最大の特徴ともいえるフロート構造のシューによって湿地帯や水上での作業に特化していること、付け替え可能な専用のバケットで唯一無二の作業ができることがわかりました。

また、分解・組立てが比較的容易で、現地までの運送コストを軽減できることがわかりました。

それらの特徴を活かして河川の浚渫工事やダム貯水池の土砂の撤去工事現場で活躍しています。

河川の浚渫工事やダムの修繕工事は、私たちが生活するうえでは欠かすことができません。

今後も泥上掘削機はその唯一無二の特徴を活かして活躍し続けます。

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