地下連続壁施工機って何?特徴と工法を解説

地下連続壁

皆さん、地下連続壁施工機という機械を聞いたことはあるでしょうか。

名前の通り、この機械は地下に壁を作るために建設現場で主に使用されています。

今回は地下連続壁の施工がなぜ必要なのか、地下連続壁施工機でどのような施工を行っているのか特徴や工法について、解説していきたいと思います。

地下連続壁の用途

 地下連続壁が必要なのはなぜでしょうか。地下連続壁の用途は以下の通りです。

  • 地下構造物を造る際の壁を造るため
  • 地上や地下構造物を造る際の基礎
  • 土の圧力を受ける土留め構築
  • 地下水の止水用の壁を造るため など

以上の通り、建設現場では地下連続壁を様々な用途で施工しています。

主な施工方法としては、安定液を用いて掘削壁面の崩壊を防ぎながら地下に壁状の穴を掘削して、その中にコンクリートなどの壁材を入れて完成となります。

ただし、地下連続壁の施工といっても様々な工法があり、施工方法により使用する機械もバラバラです。では次に施工方法の種類に関して説明していきます。

地下連続壁の工法について

地下連続壁

地下連続壁を造る際は地盤の状況に合わせて経済性・工程などを考慮して、施工方法を検討しなければなりません。施工方法により使用機械も変わってきます。地下連続壁を造るための工法は以下の通りです。

RC連続工法

RCとは鉄筋コンクリート(英語でReinforced-Concrete 補強されたコンクリート)のことをいいます。

安定液を用いて掘削壁面の崩壊を防ぎながら掘削を行い、掘削した箇所に鉄筋かごを建込んだ後にコンクリートを打設して連続した壁を造ります。

大規模・大深度の施工が可能であり、軟弱地盤~硬質な地盤まで幅広く適用することができます。

鋼製連続壁工法

鋼製連続壁工法は①の鉄筋コンクリートではなく鋼材を使用する工法です。

鉄筋かごの代わりに、鋼製の部材を建込み、その中にコンクリートを充填して連続壁とします。

RC連続工法に比べて、土留め壁を薄くできたり施工スペースを狭くできたりとRC連続工法にはないメリットもあります。

安定液固化連続(泥水固化)工法

安定液固化連続(泥水固化)工法は、掘削に用いる安定液に固化材を使用し固化させることで連続壁とする工法です。

この工法はコンクリートや鋼材を使用しないため、経済性に優れているといったメリットがあります。

ソイルセメント連続工法(置換、原位置撹拌)

ソイルセメント工法は、掘削した残土をセメントと混ぜたスラリー状のソイルセメントを使用します。

ソイルセメントと安定液と置き換えて充填することで、スラリー固化壁を造る工法となっています。

現地の発生土を使用するため、産廃となる土砂が減るため環境にやさしいことや、経済性に優れているなどのメリットがあります。

地下連続壁を施工するための機械は?

アースオーガ

次にこれまで紹介してきた地下連続壁工法にて地下連続壁を造るためにはどのような機械が必要なのでしょうか。

使用する機械として主に地下連続壁施工のための掘削用機械として、「バケット式掘削機」と「水平多軸回転式機」の二種類があります。

バケット式掘削機

バケット式掘削機とは、ベースとなるクレーンなどの先端にバケットと呼ばれる土を取込んで掘削する機械です。

開口した機械を掘削位置まで降ろして閉口することで掘削が可能です。

水平多軸回転式機

水平多軸回転式機とは、先端に取り付けたカッターを回転させることで掘削していきます。

掘削と同時に先端から安定液を噴射することで土と撹拌させて掘削することができます。

その他に使用する機械として芯材を建込むためのクローラークレーンやラフタークレーンが必要になる場合もあります。これらは建設現場で一般的に見かけるクレーンですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。地下構造物を施工するためには地下連続壁の施工が必要です。

そのため、地下連続壁施工機は様々な建設現場で使用されています。

建設現場を見てみても、パッと見ただけでは地下連続壁機を見つけるのは難しいと思いますが、もし地下連続壁施工機を見かけた際は、どのような機械なのか見ていただけると嬉しいです。

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