深礎工に使用する機械とは?特徴を解説

深礎工に使用する機械

皆さん、深礎工法という工法を聞いたことはあるでしょうか。

この工法は様々な工事現場で使用されており、専用の機械を用いて施工を行います。

今回はそんな深礎工法の概要とどのような機械を使って工事しているのか、について解説していきたいと思います。

そもそも深礎工法とは?

深礎工に使用する機械

深礎工法とはどういった工法でしょうか。

深礎工法とは杭打設工法の一種であり、杭を打設するための縦穴を掘削するための工法です。

施工する杭は支持層と呼ばれる硬い地盤まで打設することで建物が倒れないようにする役目を持っています。

この杭を建設業では建物の基礎と呼んでいます。

施工方法としては、

  • 人力または機械により縦穴を掘削していく
  • 掘削した穴の壁を保護するために鋼製の波板(ライナープレートと呼ばれています)を建込み、リング型枠を連結して土留めを行う
  • 所定の深さまで①②を繰り返して掘削は完了
  • 土留めを取り外したのちに掘削した縦穴に鉄筋かごを挿入し、コンクリートを打込むことで鉛直のコンクリート杭を完成させる

といった順番で施工を行います。

深礎工法の歴史は場所打ち杭の工法の中で最も古く、1930年に日本の建設現場で開発されたといわれています。

深礎工法の特徴は?

アースオーガ

では次に深礎工法にどのような特徴があるのか説明していきます。

深礎工法の特徴は以下が挙げられます。

  • 狭い場所や傾斜地といった悪条件でも施工が可能

人力での施工や小型の機械を用いた施工が可能なため施工場所の条件に縛られることなく施工が可能となっています

  • 大断面・大深度の杭打設が可能

地盤の条件にもよりますが、断面の大きさや掘削する深度は機械を使用することで大断面・大深度の施工が可能となっています

  • 無振動・無騒音での施工が可能

人力での掘削が可能なため振動・騒音を発生させることなく施工するが可能です。

  • 湧水の多い地盤や崩れやすい地盤での掘削には適さない

掘削後にライナープレート打設を行うので、自立している地盤でなければ打設を行うことができず、作業者の安全も確保することができないため施工ができません。

深礎工法で使用する機械とは?

リバースサーキュレーションドリル

深礎工法では人力もしくは機械による掘削を行うと説明しました。ではどのような機械を使用するのでしょうか。

人力掘削の場合

  • ハンドブレーカー

人が持てるドリルのような機械です。掘削する地盤は深くなればなるほど硬くなりますので、人力で掘削する場合は電動のブレーカーを用いて掘削していきます。

現在は機械掘削が主流であり人力による掘削はあまり行われることは少ないですが、小型の深礎工法に用いられることが多いです。掘削した土は専用の排土用バケットを用いて取り除きます。

機械掘削の場合

  • バックホウ(機械ブレーカー)

バックホウとは簡単にいうとショベルカーです。ショベルの部分が手前に稼働するものをバックホウといいます。

深礎工法の場合、このバックホウの先端にショベルではなくブレーカーを取り付けて掘削します。機械掘削の場合、人力掘削よりも施工性や安全性を確保して施工することが可能です。また、岩盤用のブレーカーもあるため、硬い地盤でも掘削することができます。掘削した土は人力掘削と同じく排土用バケットを用いて取り除きます。

  • ボーリングマシン

ボーリングマシンとは地盤に円筒状の穴を掘削する機械です。

先端に取り付けた「ビット」と呼ばれるドリルをエンジン駆動により回転、打撃させながら掘削していきます。

ボーリングマシンで使用するビットはダイヤモンドでできているので、硬い地盤でも掘削することが可能となっています。

  • テレスコ式クラムシェル

クラムシェルではベースとなるクレーンの先端にバケットと呼ばれる土を取込む機械を用いて掘削します。開口した機械を掘削位置まで降ろして閉口することで掘削が可能です。

穴の中に機械を降ろす必要がなく掘削と排土が同時に可能なことから、大深度の掘削や早期に施工する必要がある現場に適しています。

まとめ

深礎工法の概要、使用機械を説明いたしました。構造物を施工するためには深礎工法による杭の施工が必要だとお分かりいただけたかと思います。

深礎工法は建設現場でよく使われている工法ではありますが、皆さんが普段目にする地上には見えない構造物ですので、縁の下の力持ち的な工法です。

地下に何か施工している現場を見かけた際は深礎工法の可能性があるので、機会があれば見てみてください。

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