杭打ち機は、地中深くに杭を打ち込める建設機械。多くの建築現場で活躍しています。
この記事では、杭打ち機のメリット・デメリットについて解説していきます。杭打ち機の使用・導入を考えている方のお役に立てば幸いです。
1 杭打ち機のメリット
地中数十メートルに杭を打てる、オンリーワンの存在
杭打ち機のメリットは、地中数十メートルに杭を打ち込めるという唯一無二の働きにあります。
日本は地震や風水害といった、災害の多い国です。家や建物を建設する場合は、どんな災害にも耐えられる強いものとする必要があります。
日本の主要な都市の多くは、河川の下流にあると言われています。つまり地盤が柔らかく、土台ごと建物が倒壊したり流されたりするリスクが大きいということです。
杭打ち機を使用することで、深い場所に存在する硬い地盤に杭を打ち込むことができます。
一般住宅の場合、硬い地盤に達するためには地中15メートル(4階建てのビル程度)ほどまで杭を打ち込まなければならない場合もあります。
アパートやビルの場合は、もっと深くまで杭を打つ必要があります。30~40メートルほど深くに杭を打つ場合もあるようです。
このような杭打ちは、杭打ち機にしかできないまさにオンリーワンの役割と言えます。
2 杭打ち機のデメリット
現場までの運搬に掛かる手間・コストの大きさ
杭打ち機には大抵キャタピラが付いており、自走が可能です。
しかし高さが数十メートルに及ぶので、公道を走ることは基本的にできません。大抵の場合はトレーラー等で現場まで運ぶことになります。
大きな杭打ち機の運搬には、簡単な分解作業が必要になる場合もあります。
このように、杭打ち機の運搬には手間やコストが掛かります。
周囲への騒音・振動の影響
杭打ち機で行う作業は、地面に数十メートルもの深い穴を掘って杭を打ち込むという、かなり大規模なもの。当然、周囲への騒音や振動も気になります。
しかし、杭打ちの工法にはさまざまなものがあります。中には、騒音や振動を最小限にできる「中掘り杭工法」といったものも存在します。
この工法では「スパイラルオーガスクリュー」と呼ばれるものを使用し、地盤を掘り進めながら杭を差し込んでいきます。杭に打撃を加えないので、騒音や振動を少なくすることができます。
もちろん騒音・振動をゼロにすることは不可能です。しかし、このように工夫次第で減らすことはできます。
3 まとめ
杭打ち機には、地中数十メートルまで杭を打ち込めるという唯一無二のメリットがあります。日本で頑丈な建築物を作るために、欠かせない存在となっています。
一方、デメリットとしては「運搬の手間やコスト」「騒音・振動」といったものが挙げられます。
しかし、地震等の災害が急増している現代ではこの「杭打ち」という作業がもはや必須とも言えるでしょう。杭打ち機は、現代日本人の安全・安心な暮らしに一役買っているのです。