トレンチャーのメリットとデメリットを解説

トレンチャー

トレンチャーによる溝堀りは農場や施設の建設地など、私たちの生活と密接に関係しています。

トレンチャーが開発されたことで、人力で対応していた時代と比較すると作業効率は大幅に向上しました。

近年では道路脇の無電柱化や配電ケーブルの地中への敷設などが主流となっており、今までは採用されていなかった大型のトレンチャーが日本で見られるようになりました。

このように、トレンチャーによる溝堀りは分野によってはまだまだ発展途上と言えるでしょう。

今回はそんなトレンチャーのメリットやデメリットをまとめました。

トレンチャーのメリット

ブルドーザー

トレンチャーにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

以下にご紹介します。

人力と比較すると効率的で高品質な溝堀りが出来る

トレンチャーを使用して溝堀りをすると、同じ幅と深さの溝を直線で安定的に掘ることが可能です。

同様の溝を人力で対応するとなると、人手や掘削道具や作業時間など多くのリソースを割くことになるので、トレンチャーは非常に効率的に施工することが可能です。

自走式はコンパクトで軽量

自走式は本体に大きなタイヤと操舵用のハンドルを装着したことで、人力での移動や歩行しながらの溝堀りが可能となります。

チェーンソーのような形状をした回転物の周囲にカッターを取り付けたものが主流です。

掘削が可能な溝の幅はおよそ10cmで、溝の深さはおよそ15~45cmまで対応可能です。

溝の深さを決定する調節機構はハンドルで出来るので、目的に合った最適な深さを選定できます。また、掘削と同時に埋土用の土を積み上げることが出来るので機能的です。

形状が豊富で様々なニーズに対応が可能

▼ロータリー式トレンチャー

ロータリー式トレンチャーは大きな円板の外周にL字形のカッターをつけたもので、円板を回転させながら土を切削することが可能です。

トラクターなどに装着するタイプが前提となっているタイプで、主に農場で使用されます。

高い耕土特性で、面積に合わせて1~4条式を選択することができます。

他に、ロータリー式にはホイールブレード型というものもあり、こちらは溝堀りのスピードに特化したものとなっています。

主にスポーツ施設や建築現場に排水システムやパイプやケーブルなどを敷設するための溝堀りに適しており、数時間で施工を完了しなければならない現場で活躍します。

▼コンベヤ式トレンチャー

チェーン上のコンベヤにカッターをつけて土を掘削しながらコンベヤですくい上げることが可能です。

すくい上げられた土は、排土コンベヤによって側方に送られます。

田んぼや畑の給排水用の溝を掘ること以外に、サッカーグラウンドやゴルフコースなどのスポーツ施設の排水菅敷設用の溝や、道路脇や山間部の工業施設の電線ケーブルなどの埋土工事にも使用されます。

トレンチャーの形状によって、溝の幅や、深さを設定することができます。

様々な重機への装着が可能

▼トラクター装着型

装着型という区分ではこの「トラクター装着型」が主流です。

コンベヤ式トレンチャーやロータリー式トレンチャーがラインナップされています。

機動性に優れ、どのようなシチュエーションにも対応が可能です。

トラクターの性能として、優れたけん引力と直進性がありますが、トレンチャーにもそれが反映されます。

もちろん傾斜や凸凹地でも優れた作業制度を保つことができますし、操縦者の乗り心地も快適なものとなっています。

▼ショベルカー装着型

ショベルカーに装着するタイプはコンベヤ式トレンチャーが主流です。

大型ショベルの先端(掘削アーム)装着するように開発されておりアームが届く場所はどんなところでも施工することができます。

トラクターが進入できない狭所や、角度が急な斜面の施工、高所に対する施工時に非常に有効です。

施工範囲も自由に設定することが可能で、取り付け部分が360°回転する機構も設けられているので溝入れ角度は無限なものとなっています。

ただし、ショベルカーを掘削現場まで運搬する必要があり、トラクターと比較するとショベルカー自体の機体サイズが大きいことからシチュエーションを選ぶものとなっています。

トレンチャーのデメリット

トレンチャーのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

以下にトレンチャーのデメリットを紹介します。

取扱いには十分な経験と周囲への警告が必要

トレンチャーは構造上非常に危険な機械です。災害リスクを十分に想定し、作業範囲にコーンを立てるなどして立ち入り禁止の警告をださなければなりません

自走式であれば掘削現場までの移動は歩行にるので、周囲の人に接触しないように慎重に移動する必要があります。

トラクタ装着型は装着された状態での移動になるので、確実に固定されているか慎重に点検する必要があります。

トレンチャーの種類を見誤ると作業効率が落ちる

電線ケーブルの敷設や配管用の溝を掘削する現場や、スポーツ施設近傍の溝堀りの現場に排土を溝の傍に置いてしまうトレンチャーを使用すると、作業後の清掃や後片付けが別途必要になり作業効率を大きく落とす要因となります。

故障した場合、代替できる機械がない

トレンチャーの機能は「溝堀り」専用機といってもよいものです。

これほど安定して溝を掘削できる機械は他にはありません。

1台所有し、それが仮に故障した場合溝堀りを代替できる機械が無いので、修理完了までの期間は作業の中断が必要になります。

まとめ

今回はトレンチャーのメリットやデメリットついて解説しました。

トレンチャーの特徴として「自走式」はコンパクトで軽量なので取り回しが楽であり、溝の設定が楽なこと、「装着型」はどのようなニーズにも対応が可能なことがわかりました。

一方で、目的に合わせたトレンチャーでないと作業効率が落ちることや、故障した場合は他に代替可能な機械が無いデメリットがあることもわかりました。

そんなトレンチャーですが、今後も私たちの発展にはなくてはならない機械として活躍するでしょう。

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