ショベルカーはなんでもでできる?シチュエーション別油圧ショベルの活用法まとめ

皆さん、建設機械のショベルカーをご存知でしょうか。

キャタピラ(建設業界ではクローラ式といいます)で走り、先端に装備したバケットを使って土を掘削したり、移動させたりする機械です。建設機械では一番有名な機械かもしれません。

そんなショベルカーですが、実は皆さんが思っている以上にたくさんの使い方があるのです。それが建設現場にてショベルカーがよく使われている理由の一つでもあります。

今回はショベルカーがさまざまなシチュエーションでどのように活用されているのか解説していきたいと思います。

そもそもショベルカーとは?

ショベルカーをご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明します。

ショベルカー(油圧ショベル)の定義は掘削や整地など土工作業にて用いる腕上の構造をした油圧式稼働する自走型の機械をいいます。主な作業内容は掘削であり、どこの建設現場でも使用されているといっていい機械です。

また、ショベルカーはバケット(先端に設置されている土を入れる箱)の向きで名称が変わっており、バケットが上向き、進行方向についているものを「パワーショベル」といい、バケットが下向き、進行方向と反対についているのが「バックホウ」といいます。

ちなみに、建設業界ではショベルカーという呼び方はあまりせず、使用用途に合わせた呼び方「バックホウ」で呼ぶことが多いです。

ショベルカーの活用法について

ディーゼルハンマ

ショベルカーで可能な作業は下記の通りです。

〇土工全般(掘削・運搬・積込み)

ショベルカーの使用方法として最も一般的な作業となります。基本的にはバックホウと呼ばれる機体側にアームが稼働方法で使用されます。

土の掘削・運搬・積込みなど一台で土工作業を一通り行うことが可能です。ただし、それぞれの作業は専門的な機械には劣るので、作業効率を考慮して使用する機械を選定します。

例えば、運搬では距離が長くなる場合、ショベルカーでは作業効率が悪いのでダンプトラックを使用するなど機械の選定を行います。

ユンボ」という呼び方もしますが掘削を行うバックホウと同じ意味です。掘削量により機械の大きさが変わるので、現場に合ったバックホウを選定して使用します。

〇吊り上げ作業

クレーンが入ることのできない小さな現場やぬかるんだ環境の悪い場所ではショベルカーにて吊り上げ作業を行うことも可能です。その際はクレーン式ショベルカーを使用します。

ただし、吊り上げる重さはクレーンに比べて劣りますが、手作業では持ち運びが難しい側溝やブロックなど吊り上げて所定の個所に設置する作業にはショベルカーでの吊り上げが適しており、どこの建設現場でも使用されています。

〇ブルドーザーのような整地作業

ショベルカーにはキャタピラの前部分にブレード(排土するための板)を装備することでブルドーザーのような土砂を押し出す作業も可能となっています。

この作業は整地と呼ばれ、デコボコしている地面を平らな状態にすることが可能です。

ただし、ブルドーザーよりは作業効率が低いため整地する面積によってショベルカーを使用するのか、ブルドーザーを使用するのか決定するひつようがあります。

〇クラムシェルによる掘削作業

クラムシェルとは掘削に特化したショベルカーの使用方法です。

先端のアタッチメントを二枚貝のように挟み込んで掘削する装備とすることで地上から25m程度までの掘削を可能にしています。

ショベルカーを使用することで小回りが利き、機械も小型化が可能なため、狭い現場でも深い掘削作業が可能となっています。

〇ブレーカーによる破砕作業

ショベルカーでは先端のアタッチメントをタガネ(ドリルのような構造)装備にすることで打撃による破砕を行います。

構造物撤去のためにコンクリート、アスファルト舗装の破砕作業や硬い岩石の小割などを行うことが可能です。打撃により破砕するため、カンカンと音を出してしまうので作業場所が限定されてしまいます。

〇クラッシャーによる圧砕作業

クラッシャーはハサミのような構造をしたアタッチメントを取り付けることで岩を圧砕することができる作業です。

圧砕した材料はコンクリートの材料として使用したりします。ブレーカーと比べて、岩を細かく砕くことが可能、音があまり出ないので作業場所を選ばないといったメリットがあります。

〇グラップルによる掴み作業

グラップルによる作業では先端のアタッチメントを手のようなものを掴む装備に変えることで、木のような細長い材料を掴むことが可能になります。

木の伐採作業など掴んだ材料の移動や積込みなどを必要とする作業を行うための作業方法になります。

〇解体作業

ショベルカーは解体作業にも使われています。今まで紹介した方法は掘削など機械より下向きの作業ばかりでしたが、解体用は上向きにアームが大きく動く構造になっています。

また、高い建物など解体するのでアームが長く作られているショベルカーが多いです。

他のショベルカーと違い、使用方法が限られているので、機械メーカー各社で様々な解体用ショベルがリリースされています。

〇ツインヘッダーによる切削作業

ツインヘッダーとは二つの回転式ドラムを装備した切削用のショベルです。

切削用にチップ(切削用の刃)を装備しており、岩面や土、道路の表面等を削り取る作業を行うことが可能です。掘削よりも局所的に硬いものを削りたい際に使用する方法になります。

〇リフティングマグネットによる金属の運搬

リフティングマグネットでは先端のアタッチメントを磁石にすることで、磁石の力により貴金属をくっつけていることも可能です。

産廃物から金属のみを取り出したいときや金属の移動などを行うときに使用する方法です。

まとめ

いかがだったでしょうか。ショベルカーと一口にいっても、土砂の掘削・積込みはもちろんのこと、解体・破砕など建設現場の用途に合わせてさまざまな作業を行うことが可能な機械がショベルカーです。

ショベルカーがどこの建設現場でも見かける理由はこのように現場に適した作業をアタッチメントの変更だけで行うことができるからです。

さらに、作業環境を選ばずどこでも作業可能なメリットもショベルカーはもっています。建設現場でショベルカーを見かけた際はどのような使用方法をしているのか見てみると面白いかもしれませんね。

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