ミニ油圧ショベルのメリットデメリット

ミニ油圧ショベルを使いたいとき、メリットをあらかじめ知っておくと、作業や購入の役に立ちます。

一方で、どのようなデメリットがあるのかを知っておくことも重要です。

ここではミニ油圧ショベルのメリットとデメリットを解説します。

知って得するミニ油圧ショベルのメリットとデメリット

ミニ油圧ショベルと呼ばれるカテゴリーの明確な基準はなく、メーカーによってまちまちです。

比較的多い例としては、車重6トン未満でバケットの容量が0.25㎥未満の機体をミニ油圧ショベルと呼びます。

運転するための資格を基準にすると、「小型車両系建設機械運転者」という資格が3トン未満とされているため、車重3トン未満をミニ油圧ショベルと呼ぶ考え方もあります。

ミニ油圧ショベルは非常に便利で使い勝手の良い建設機械です。

その一方で、使い方を誤ると能力を十分に発揮できないだけでなく、危険な事故を起こすことにもつながります。

安全で効率の良い作業を行うためには、ミニ油圧ショベルのメリットとデメリットを理解しておくことが有効です。

小柄な機体を活かして狭い場所での作業を行うなど、都市での作業に適性を持ちながら、大型の重機にはない汎用性も持ち合わせています。

ミニ油圧ショベルのメリットとデメリットを順に見てみましょう。

ミニ油圧ショベルのメリット

ミニ油圧ショベルにはさまざまなメリットがあります。

小柄な機体は一見すると頼りなさそうに見えますが、十分な力強さを秘めており、機体が小さいゆえに狭い場所で力を発揮します。

小柄な機体は、個人でも手に入りやすいことや維持管理のしやすさなど、所有することに対する難易度の低下にもつながっています。

以下で、ミニ油圧ショベルのメリットを詳細にご紹介します。

小型で狭い場所を苦にしない

ミニ油圧ショベルは、その小柄な機体を活かして狭い場所での作業を得意としており、道路工事から水道工事までさまざまな場面で能力を発揮しています。

元来、掘削作業を行う建設機械は大型のものばかりで、ミニ油圧ショベルが登場するまでは都市部などの狭い路地での工事は困難を極めていました。

特に、一方通行で乗用車が1台やっと通れる程度の道路には、大型の油圧ショベルが入ることはできません。

ミニ油圧ショベルならば狭い道路も苦にせず掘削作業することができ、都市環境の維持に大きく貢献しています。

場合によっては歩道に入ることもできるので、歩道の整備や街路樹の植え付けなどにも活躍しています。

また、近年のモデルは360度の旋回が可能なので、狭い場所でも周囲の状況を気にすることなく安全に作業できます。

繊細な作業が可能

ミニ油圧ショベルは近年、より高度に進化を遂げており、非常に繊細な作業もこなすことができます。

元々掘削作業のための重機は、無骨で大味な作業しかできないイメージがあり、繊細な作業は人の手で行われることが一般的でした。

ところが、従来では困難だった繊細な作業も、高度なメカニズムを搭載することにより可能になってきました。

そこに熟練の運転士の技術が加わると、まるで命を吹き込まれたかのように滑らかな動きを見せてくれるのです。

機体の運搬がしやすい

ミニ油圧ショベルは走行スピードが遅いため、自力で公道を移動することは現実的ではなく、遠方に赴くときはトラックの荷台に載せて運搬することになります。

トラックの荷台に載せるときは荷台と地面の間にアルミブリッジを置いて坂道を作り、その道をミニ油圧ショベルが登ります。

ミニ油圧ショベルはクローラーを装備しているため登坂能力が高く、自力でトラックの荷台に登ることができるので、比較的簡単に荷台に載せることができます。

ミニ油圧ショベルの中でも小型のモデルは車重が1トン未満のものもあるので、小型トラックでも運搬することができ、行きたい場所に簡単に運ぶことが可能です。

運搬できるトラックがあることを前提とすれば、ミニ油圧ショベルはその運搬のしやすさにより広範囲で活動することができるところもメリットの1つです。

大型の油圧ショベルに比べて維持管理が容易

ミニ油圧ショベルは大型の油圧ショベルに比べると、かなり楽に日々のメンテナンスを行うことができます。

メカニズムは大型の油圧ショベルと変わらないので、グリスアップなどの作業が必要なことは同じですが、機体が小型なために手間は大幅に省かれます。

また、メンテナンスに必要な潤滑油などの消耗品の消費量も、大型の油圧ショベルに比べて圧倒的に少なくて済みます。

バケットを取り外してアタッチメントを交換する作業も、ミニ油圧ショベルなら簡単に行うことができるので、その用途は無限に広がるのです。

アタッチメントの付け替えが可能

ミニ油圧ショベルはアームの先端にバケットを装着しており、掘削作業を行うことがおもな役割ですが、バケットは簡単に取り外しが可能です。

バケットの代わりに装着できるアタッチメントは非常に多くの種類があり、アタッチメント制作を専業にしている業者もあるので、オーダーメイドも可能です。

ミニ油圧ショベルはアタッチメントの交換によって、掘削作業のみならず多くの種類の作業をこなすことができます。

交換できるアタッチメントは作業する業種ごとに特徴があり、建設業ならば路面を破壊するハンマーやオーガなどがあります。

そのほかにも解体業ならばクラッシャーやバクラーがあり、農林業や畜産業ならばフォークや草刈り用アタッチメントなどを使用することができます。

ただしミニ油圧ショベルは車重が軽いので、あまり重量のあるアタッチメントはバランスを崩すため、危険なので装着することはできません。

個人でも所有が可能

ミニ油圧ショベルは乗用の建設機械の中ではひときわ小さく、維持管理にもそれほど手間がかからないため、個人でも所有が可能です。

乗用車よりも小さい機体のものが多く、広い保管場所を必要としないので、個人の邸宅にも置いておくことができます。

価格は決して安価とは言えませんが、大型の建設機械に比べればはるかに個人でも購入が可能なレベルで、中古品も多く流通しています。

個人事業主である農業や畜産業、造園業、水道工事業などにミニ油圧ショベルは欠かせないため、購入しやすさは大きなメリットです。

実用的であることはもちろん、操る楽しさも兼ね備えているため、所有する喜びももたらしてくれる魅力的な建設機械です。

ミニ油圧ショベルの能力を十分に活かすことができる環境ならば、その価格に見合った活躍が期待できるでしょう。

ミニ油圧ショベルのデメリット

ミニ油圧ショベルにはたくさんのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

デメリットを事前に理解しておくことにより、不利な状況に陥ることを防ぎ、ミニ油圧ショベルの能力を十分に発揮させることができます。

特に安全面においては十分すぎるほど注意しなければなりません。

以下で、ミニ油圧ショベルのデメリットを詳細にご紹介します。

パワー不足を感じることも

ミニ油圧ショベルは小型で扱いやすい建設機械で、通常の使用においては十分な力強さも秘めていますが、場合によってはややパワー不足を感じる場面もあります。

掘削作業において、硬い岩盤やコンクリート面などを掘り返すときにはやはり大型の油圧ショベルの力を借りなければならないのです。

また、道路の掘削作業は深く穴を掘らなければならないこともあり、ミニ油圧ショベルのアームの長さでは掘り返す穴の深さにも限界があります。

アームを限界まで伸ばしての掘削作業は機体に大きな負荷がかかるため避けなければならず、小柄な機体がマイナス要素になってしまう一つの場面です。

使用できるアタッチメントには制限がある

ミニ油圧ショベルは通常はバケットを装着して作業を行いますが、バケットを取り外してアタッチメントを交換することが可能です。

この場合、標準サイズや大型の油圧ショベルと比べると、装着できるアタッチメントが限られてきます。

ミニ油圧ショベルは車重が軽いために、バランスを崩すような大型のアタッチメントを装着できないのです。

特に解体工事で使用するグラップルなどは重量が大きいので、ミニ油圧ショベルで使用することはできません。

ゴムクローラーの取扱いに要注意

ミニ油圧ショベルに装着されているクローラーは鉄製とゴム製があり、小型のモデルほどゴム製のクローラーが使用されていることが多いです。

ゴムクローラーは地面に対する摩擦力が高くて登坂能力が高いなどのメリットがありますが、耐久性の面で鉄製クローラーに劣ります。

特に鉄くずが散乱しているような場所や、硬くて荒れた岩盤の上を走行するときなどはゴムクローラーを損傷する可能性があるため注意が必要です。

また、ゴムクローラーの劣化を防ぐためには日常的な点検も必要で、鉄製クローラー以上に摩耗や損傷などに気を配ることが求められます。

まとめ

ミニ油圧ショベルには多くのメリットがあり、小型で扱いやすく、見た目以上にパワフルで、まさに一家に一台欲しくなるような魅力を秘めた建設機械です。

デメリットも多少ありますが、機体のスペックに見合った使用をしている限りでは大きな問題にはならないでしょう。

都市部から農村部、山間部まで幅広く使用されているミニ油圧ショベルは需要が多く、今後もますます魅力的なモデルが開発されることが期待されます。

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