コンクリート床仕上げロボットは、最近少しずつ建設現場に浸透してきました。
1台あると便利だといわれていますが、その理由は何でしょうか。
ここではコンクリート床仕上げロボットが1台あると便利な理由をご紹介します。
多くの魅力を備えたコンクリート床仕上げロボット
コンクリート床仕上げロボットが1台あると便利な理由はいくつかありますが、最も大きな理由は土間工の過酷な肉体労働を大幅に軽減していることです。
ここでは4種類のコンクリート床仕上げロボットをご紹介していますが、土間工を肉体労働から開放したという点については全てのロボットにおいて言えることです。
機械化・自動化が進む流れにあっても、建設業界はまだまだ過酷な肉体労働を要求されるイメージが付いて回っています。
コンクリート床仕上げロボットは、そんな建設業界のイメージすらも変えてしまう可能性を感じさせており、秘めているのは無限のポテンシャル。
その他にもコンクリート床仕上げロボットが現場に1台あると便利な理由があり、今後ますます広まっていくことが期待されています。
4種類のコンクリート床仕上げロボットの特徴から分かる、1台あると便利な理由を検証してみましたので、順に見てみましょう。
コンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」が1台あると便利な理由
大成建設と筑波大学が開発した「T-iROBO Slab Finisher」は、最も早く発売された本格的なコンクリート床仕上げロボットです。
土間工による床仕上げ作業の問題点を、専門家による緻密な研究で的確につかみ、すでに実際に建設現場で成果を出している画期的なモデルです。
T-iROBO Slab Finisherの特徴は、作業形式に走行範囲を指定する方法と走行ルートを指定する方法の2つがあり、作業場所の特徴によって選択できることです。
T-iROBO Slab Finisherは従来の床仕上げ用機械に比べるとはるかに軽量なため取り扱いが容易であり、建設現場に1台あると非常に便利です。
T-iROBO Slab Finisherが1台あると便利な理由を、それぞれ詳細にご紹介します。
半自動で作業が可能
T-iROBO Slab Finisherが床仕上げ作業を行う場合は、走行範囲を指定する方法と走行ルートを指定する方法の2つの方法があり、作業前にどちらかを選択します。
どちらの方法も最初に土間工が無線操作でロボットに作業場所を記憶させ、その後はロボットが自動で判断して床仕上げ作業を行います。
どちらの方法を選択してもロボットが作業を始めてからは土間工は基本的に見ているだけでいいので、建設現場に1台あると非常に便利です。
T-iROBO Slab Finisherのこのような能力は、土間工を過酷な肉体労働から開放し、建設業界の仕事を新しいステージに引き上げました。
約3時間の作業が可能
T-iROBO Slab Finisherはバッテリーを搭載し、その電力によって稼働します。
バッテリーは約3時間の作業が可能な容量を持ち、その間は土間工はロボットが作業する様子を監視しているだけでよいので、建設現場に1台あると非常に便利です。
床仕上げの作業面積によっては3時間の作業では不足な場合もあるでしょうが、バッテリーの脱着は容易なので、予備のバッテリーを用意しておけば作業を継続することができます。
バッテリーの充電に必要な時間は約2時間です。
軽量で使用場所を選ばない
従来からコンクリート床仕上げは人力作業だけではなく機械による作業も行われていましたが、機械の重量が重くて作業場所が限られることが欠点でした。
T-iROBO Slab Finisherは総重量が約95kgと、従来の床仕上げ用機械に比べるとはるかに軽量なため、作業場所を選びません。
持ち運ぶことも可能なため、移動を必要とされる床仕上げ作業でも柔軟に対応することができ、作業可能範囲が一段と増したため、建設現場に1台あると非常に便利です。
バッテリーによる稼働で排気ガスを排出しない
従来から使用されていたコンクリート床仕上げ用の機械は内燃機関を動力としていることがほとんどであったため、排気ガスを排出することが問題視されていました。
特に工場や倉庫などの室内で床仕上げ作業を行う場合は排気ガスが室内に充満し、土間工の健康状態に悪影響を与える欠点がありました。
T-iROBO Slab Finisherはバッテリーを搭載して電力で駆動するため、排気ガスを全く排出せず、土間工がクリーンな環境で作業できるので、建設現場に1台あると非常に便利です。
レンタルが可能
T-iROBO Slab Finisherは日建リースが販売とレンタルを行っています。
本体価格は450万円と高価で、その能力に魅力は感じていても気軽に購入するには厳しい金額です。
しかしレンタルならば月額25万円で利用することが可能で、決して手の届かない金額ではありません。
購入を迷っている場合でも、レンタルならば一度お試しで使用してみることもできるため、大変人気なサービスとなっています。
新技術が次々と導入されている
T-iROBO Slab Finisherは現在も新技術の導入を目指して研究が続けられており、先進的な床仕上げ作業を行えることも、建設現場に1台あると便利な理由です。
すでに2019年には勾配のついたコンクリート床仕上げを行う技術や、R形状の平面にも対応できる技術を導入し、商品化されています。
倉庫のレベリングが行えるような技術を導入してほしいという声も多く、今後はフルモデルチェンジも予定されており、さらなる進化が期待されています。
コンクリート床仕上げロボット「NEWコテキング」が1台あると便利な理由
鹿島のコンクリート床仕上げロボットであるNEWコテキングは、それまであったコテキングを大幅に改良して開発されました。
鹿島がコンクリート床仕上げで培ってきた豊富なノウハウを活かし、また従来のコテキングの欠点を克服して魅力的なモデルに仕上がりました。
NEWコテキングが1台あると便利な理由を、それぞれ詳細にご紹介します。
3時間以上の作業が可能
NEWコテキングは大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載しており、3時間以上の作業が可能です。
NEWコテキングは大規模な橋梁工事などですでに活躍していますが、バッテリーは容易に交換できるため、3時間の作業では不足する場合でも作業を継続することができます。
3時間の自動作業の間は土間工が過酷な肉体労働をする必要がないので、NEWコテキングが建設現場に1台あると非常に便利です。
4分割して運搬が可能
NEWコテキングは総重量が200kg以上ありますが、簡単に4分割することができるので、普通乗用車に積載運搬することが可能です。
分割すれば人力でも運べる重量なので、小さな区画を頻繁に移動する必要がある現場でも柔軟に対応することができるため、NEWコテキングが建設現場に1台あると非常に便利です。
クローラー駆動により作業場所を選ばない
NEWコテキングはクローラーにより駆動するので、完全に凝固する前のコンクリート面でも走行することが可能です。
従来のコテキングは車輪で駆動していたため、走行の跡が残ってしまうという欠点がありました。
コテキングと違って作業場所を選ばないため、NEWコテキングが建設現場に1台あると非常に便利です。
バッテリーによる稼働で排気ガスを排出しない
NEWコテキングはおもに橋梁工事で活躍していますが、工場や倉庫などの室内の作業も行えるため、排気ガスを排出しない点は魅力的です。
排気ガスにより土間工が健康被害を受けることもなく、クリーンな環境で作業できるので、NEWコテキングが建設現場に1台あると非常に便利です。
エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットが1台あると便利な理由
エフエージェイの開発したコンクリート床仕上げロボットはバッテリーによる稼働であることは前述の他のモデルと同じです。
エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットは前述のモデルよりさらに軽量で、しかも高度な技術が凝縮されています。
エフエージェイが開発したコンクリート床仕上げロボットが1台あると便利な理由を、それぞれ詳細にご紹介します。
自動で作業できる
エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットはレーザー光線と磁気センサーを搭載しているため、自動で障害物を感知して回避することができます。
他のモデルのように土間工がロボットにルートを覚えさせる必要すらないという画期的な技術を搭載しています。
障害物が多い複雑なコンクリート面であっても自動で作業することができるので、エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットが建設現場に1台あると非常に便利です。
遠隔操作も可能
エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットは高度な自動走行が可能な一方で、無線により遠隔操作することも可能です。
無線操作と自動走行を切り替えることもできるため、エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットが建設現場に1台あると非常に便利です。
軽量
エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットは他のモデルと比較しても特に軽量に作られています。
軽量の秘密は、2軸が独立で駆動する仕組みにあり、そのメカニズムによって高い機動力も実現しています。
機動力の高さと軽量により作業場所も選ばないため、エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットが建設現場に1台あると非常に便利です。
コンクリート床仕上げロボット「サーフロボ」が1台あると便利な理由
竹中工務店が開発したサーフロボはコンクリート床仕上げを行う左官ロボットです。
凝固する前のコンクリート平面上を移動し、ロボット本体が通ってきた道をコテでならしながら進むことによって床仕上げを行います。
サーフロボを導入すると土間工が過酷な肉体労働をする必要がなく、騒音も非常に少ないので近隣に迷惑もかからないため、建設現場に1台あると非常に便利です。
まとめ
コンクリート床仕上げロボットは、どのモデルも土間工の過酷な肉体労働を大幅に軽減するため、建設現場に1台あると非常に便利です。
また、従来の床仕上げ用機械のように排気ガスを排出しないため、現場の環境をクリーンに保つことができることも便利な理由です。
騒音も少なく取り扱いも楽なので、今後ますます建設現場に広まっていくでしょう。