コンクリート床仕上げロボットって何?特徴を徹底解説

コンクリート床仕上げロボット

コンクリート床仕上げロボットをご存知でしょうか。

建設業界で話題になっていますが、どのような役割を担い活躍を見せているのか、気になる人もいるでしょう。

ここではコンクリート床仕上げロボットの特徴を徹底解説します。

作業の省力化を実現したコンクリート床仕上げロボット

コンクリート床仕上げロボット

現代はさまざまな分野でロボット技術が導入されていますが、コンクリート床仕上げロボットもその1つです。

コンクリート床仕上げは、従来は人の手で行っていた作業ですが、時間と手間がかかることが問題視されていました。

また、以前から床仕上げ用としてガソリンエンジンで駆動し作業員が搭乗するタイプの機械なども存在していましたが、重量が重いために使用する場所が限られていました。

コンクリート床仕上げロボットは作業の省力化を実現するとともに、より美しい床に仕上がるということで話題になっています。

コンクリート床仕上げロボットがどのような経緯で導入され、どんな進化を経てきたのか、1つずつ順に見てみましょう。

コンクリート床仕上げロボットが登場するまで

コンクリート床仕上げロボット

コンクリート床仕上げロボットが登場するまでは、基本的には土間工が床仕上げを行い、場合によっては床仕上げ用の機械も使用されていました。

以下で、コンクリート床仕上げロボットが登場するまで行われていた作業をご紹介します。

従来は土間工により人力で床仕上げ作業されていた

コンクリートを打設されたビル内や倉庫などの床面を平らにならすとき、従来は「土間工」と呼ばれる作業員が人力で作業していました。

その作業は肉体的に過酷で、中腰の状態を長時間維持しなけらばならず、作業時間もかなり長くて問題視されていました。

以前から存在していた床仕上げ用機械

広い場所を平らにならす場合に使用される機械は以前から存在していて、大型の機械に作業員が搭乗し床仕上げを行っていました。

人力よりはるかに作業効率は上がりますが、重量が約350kgと重いために使用場所が限られることと、ガソリンエンジンで駆動するため騒音と排気ガスがデメリットでした。

やや小型化した機械として、手押しトロウェルという、草刈り機のようなハンドルとエンジンの先端に床仕上げ用の装置を設置した機械もありました。

手押しトロウェルは搭乗式よりかなり小型化されたために重量は軽くなりましたが、やはり騒音と排気ガスという課題は残っていました。

その他、鹿島が約30年前から使用していた「コテキング」は、電源ケーブルにより駆動する形式で、排気ガスが出ないため当時としては画期的でした。

しかしローラー走行のために柔らかい床面を走行できないという欠点がありました。

コンクリート床仕上げロボットの登場

コンクリート床仕上げロボット

従来から行われてきた土間工による床仕上げ作業は肉体的に過酷で、多くの時間と人員が必要であることが課題でした。

また、従来の床仕上げ用機械には騒音や排気ガス、重量などさまざまな欠点があり、対策が練られてきました。

そこで2016年にコンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」が大成建設と筑波大学によって共同開発されました。

その後、追随するように他社からもコンクリート床仕上げロボットがリリースされており、「T-iROBO Slab Finisher」も改良が加えられています。

最初に登場したコンクリート床仕上げロボット

コンクリート床仕上げロボットとして最初に登場した「T-iROBO Slab Finisher」はリモコン操作によって作業を行い、作業時間の短縮と必要人員の削減を実現しました。

さらに重量が約90kgと軽量であるために作業場所を選ばず、従来の大型機械が作業できなかった場所でも床仕上げを行えるようになりました。

動力は着脱式のバッテリーで、作業効率は人力で行っていた場合と比較すると4倍にも向上し、過酷な肉体労働を行う必要もなくなりました

各社から登場したコンクリート床仕上げロボット

コンクリート床仕上げロボットはその後、他社からも新たにいくつか発表されています。

2018年には鹿島から「NEWコテキング」が開発され、従来の「コテキング」のノウハウを活かしながらも欠点を克服したモデルとなりました。

【参考:鹿島建設株式会社公式サイト

また、エフエージェイからは自律走行トロウェルの1号機と2号機が開発され、高度な技術により自動で床仕上げ作業が行えるほか、無線操縦も可能です。

【参考:イプロスものづくり

さらに進化したコンクリート床仕上げロボット

コンクリート床仕上げロボットはその後も改良を加えられ、リモコン操作で作業を行っていたものが改良により半自動で作業できるようになりました。

「T-iROBO Slab Finisher」のリースを行っている日建リースでは、2019年に平面だけではなく勾配のある面やR形状の面でも作業できるように改良を加えました。

さらに2020年にはフルモデルチェンジを目指すという発表がありましたが、続報が待たれます。

【参考:BUILT

コンクリート床仕上げロボットの特徴

コンクリート床仕上げロボットはいくつかの企業から開発され、すでに現場で活躍しています。

コンクリート床仕上げロボットには従来の作業で課題とされていた点をクリアする特徴があり、作業効率の向上に貢献しています。

以下で、コンクリート床仕上げロボットの特徴をそれぞれ詳細にご紹介します。

「T-iROBO Slab Finisher」の特徴

大成建設と筑波大学が開発した「T-iROBO Slab Finisher」は、バッテリーで駆動するため排気ガスを排出せず、ビルや倉庫などの室内でも快適に作業できます。

半自動で作業できるため、ロボットが作業を始める前のセッティングを行ってからは見ているだけで良く、作業に必要な人員は2名とされています。

重量は約90kgで、従来の機械が作業できなかった場所でも作業が可能です。

改良が加えられた後には勾配やR形状の面でも作業が可能になりました。

「NEWコテキング」の特徴

鹿島からリリースされている「NEWコテキング」は、リチウムイオンバッテリーで駆動するため、排気ガスを排出せず、3時間以上の作業が可能です。

作業員がタブレット端末から作業エリアを入力したあとは自動で床仕上げ作業を行ってくれます。

総重量は約200kgありますが、4つに簡単に分割することもできるので、人力での運搬が可能です。

クローラーによる走行を行うため、完全に固まる前のコンクリート面でも支障なく走行することができます。

エフエージェイのコンクリート床仕上げロボットの特徴

エフエージェイからは1号機と2号機というコンクリート床仕上げロボットが試作され、2号機をベースにしたロボットが発売されています。

2軸が独立で駆動する仕組みのため、大幅な軽量化を達成しており、約2時間の走行が可能です。

簡単な制御プログラムにより高度な自動走行を行うことが可能で、場合によっては作業員が無線で操縦することも可能です。

レーザー光線と磁力センサーを使用して作業エリアを自動で感知することができ、複雑な障害物があっても避けながら作業することができます。

まとめ

コンクリート床仕上げロボットには従来の床仕上げ作業で課題とされていた点をクリアする特徴があります。

今後はさらに高度な作業を行うロボットが開発されることが予想され、各社がしのぎを削っています。

全自動で床仕上げ作業が行われる日も、そう遠くはないでしょう。

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