コンクリート床仕上げロボットが建設現場で活躍し始めています。
とても便利なコンクリート床仕上げロボットですが、使うときの注意点は何でしょうか。
ここではコンクリート床仕上げロボットを使うときの注意点をまとめました。
コンクリート床仕上げロボットの能力を発揮させるためには?
コンクリート床仕上げロボットを使うときは、その能力を十分に発揮できるように気を配らなければなりません。
特にロボットを使用することのメリットとデメリットを理解し、メリットは活かし、デメリットはカバーするよう注意して作業することが重要です。
コンクリート床仕上げロボットの能力を発揮させるには、どのような点に注意すれば良いのか見てみましょう。
コンクリート床仕上げロボットを使うときの、メリットを活かすための注意点
コンクリート床仕上げロボットを使うとき、まずロボットを使用するメリットを活かすための注意点があります。
たとえばロボットが受けている高い評価通りの「作業の省力化」を果たすためには、土間工がロボットを無線操作する技術が重要です。
また、床仕上げ作業の効率化を果たすためには、事前に作業計画を十分に練ることが欠かせません。
さらに、ロボットの長所である軽量化も、あまり過信しないで土間工が自らの目でコンクリート面を見極め、ロボットを走行させても良い状態か見極める事も重要です。
以下で、コンクリート床仕上げロボットを使うとき、そのメリットを活かすための注意点をそれぞれ詳細にご紹介します。
省力化のために重要な土間工の操縦技術
コンクリート床仕上げロボットは土間工の過酷な肉体労働をなくし、さらに必要人員も削減したという大きな成果を挙げました。
コンクリート床仕上げロボットを使用しての作業には一般的に2名の作業員で十分だと言われています。
その省力化の効果を十分に発揮するためには、作業の最初にロボットを操作する土間工の役割が重要です。
ロボットに正確な作業ルートを覚えさせる必要があるため、ロボットの操作を十分に理解し、正確に操作できる土間工の技術が求められます。
拙い操作ではロボットが正確にルートを覚えられず、作業漏れを起こし、土間工の手作業によるアフターケアが増えてしまうことになっては元も子もありません。
リモコン操作といえども、美しい床仕上げのためには軽視できないのです。
効率化のために重要な作業計画
コンクリート床仕上げロボットによる床仕上げ作業は、従来の土間工による作業に比べて大幅に作業時間を短縮することに成功しました。
その能力を十分に発揮するためには、ロボットが作業開始から終了までスムーズに作業を遂行する必要があります。
途中で作業を中断するような状況を避けるために重要なことは、事前の十分な打ち合わせと作業計画です。
ロボットがその能力を十分に発揮して作業の効率化を果たせるよう、レールを敷いてあげることも土間工の重要な役割です。
軽量化されてもまだ十分に重いロボット
コンクリート床仕上げロボットは、従来使用されていた床仕上げ用の機械に比べるとはるかに軽量化されていますが、それでもまだかなりの重量があります。
たとえばコンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」は軽いといえども100kg近い重量です。
コンクリートがある程度硬くなった状態を走らせないと、コンクリートに走行の跡が残ってしまったり、機体がコンクリートに沈んでしまう可能性があります。
つまり、作業を開始する前にコンクリート面がロボットを走らせても良い状態かどうか見極める必要があります。
その見極めは、長年土間工を務めてきた熟練の作業員の眼力がものを言う点です。
軽量化されたことに安心せず、必ずコンクリート面を十分に確認してから作業を行いましょう。
コンクリート床仕上げロボットを使うときの、デメリットをカバーするための注意点
コンクリート床仕上げロボットは優秀なツールですが、デメリットもあります。
そのデメリットをカバーするためには、作業時にいくつかの点に注意しなければなりません。
最も注意するべきなのはバッテリーの取扱いで、不注意が思わぬ大事故につながる危険性もあるため、丁寧に取り扱う必要があります。
また、コンクリート床仕上げロボットは作業可能時間が短いことがデメリットで、中途半端な場所でバッテリー切れを起こさないように注意しなければなりません。
さらに、コンクリート床仕上げロボットは高額な費用がかかることもデメリットで、特にレンタルしている場合はレンタル期間内に作業を終わらせる必要があります。
以下で、コンクリート床仕上げロボットを使うとき、そのデメリットをカバーするための注意点をそれぞれ詳細にご紹介します。
バッテリーは丁寧に取扱う
コンクリート床仕上げロボットはバッテリーの危険性が1つのデメリットで、以下のような危険性と注意点があります。
バッテリーをケーブルに接続するとき、プラスとマイナスの端子を繋ぎ間違えると爆発する危険性があるので十分に注意が必要です。
また、プラスとマイナスの端子に同時に触れると感電することもあります。
さらに、可能性が高くはないとはいえ、近くにガソリンなどの揮発油がある場合は、放電による火花で引火する危険性もあります。
バッテリーには液体が内蔵されていて、傾けると液体が漏れることがあり、肌に触れると炎症を起こします。
このような危険性があることは常に念頭に置いておく必要があり、安全のためには知識のない作業員に容易に触れさせないことも必要です。
作業可能時間の短さ
コンクリート床仕上げロボットは従来の内燃機関を使用した機械に比べると、作業可能時間が短いことがデメリットです。
コンクリート床仕上げロボットは一般的に概ね3時間ほどの作業が可能ですが、広範囲のコンクリート面で作業する場合はバッテリーの容量が不足することがあります。
万一、作業の途中でバッテリー切れを起こしてしまうと、土間工が徒歩でその場所に行く必要があり、足跡をつけてしまうこともあります。
バッテリーの容量が不足しない区画を作業するように計画を立て、一区画の作業が完了したらバッテリーを交換し、次の作業を行いながら充電するというサイクルが良いでしょう。
価格の高さと故障による出費
コンクリート床仕上げロボットはまだ開発されてから間もないため、安価で市販されておらず、使用するためには高額な費用がかかります。
特にレンタルの場合、「T-iROBO Slab Finisher」は月額25万円かかるため、長期間の使用はかなりの金額が必要となります。
作業が長期間に渡ることのないように、事前の計画通りに工程を進めるよう努めましょう。
コンクリート床仕上げロボットを使うときの、その他の注意点
コンクリート床仕上げロボットを使うときは、その特徴をよく理解して使用しなければ上手く能力を発揮させることができません。
精密なメカニズムを備えた部分もあるので、日々のメンテナンスも重要です。
以下で、コンクリート床仕上げロボットを使うときの、その他の注意点をそれぞれ詳細にご紹介します。
運搬時の取扱い
コンクリート床仕上げロボットは軽量化されたとは言っても、「T-iROBO Slab Finisher」は約95kg、「NEWコテキング」は4分割しても約50kgあります。
運搬するときは人の手で運ぶのはなかなか難しく、台車などに積載して運搬することになるでしょう。
精密な機械部分を備えているので、運搬中に落としたり衝撃を与えたりしないように、十分注意して取り扱わなければなりません。
誤動作
コンクリート床仕上げロボットは高度な自動走行も可能ですが、機械ゆえに故障することも想定しておかなければなりません。
特に作業中に誤動作して予想外の動きを始めてしまったら、重大な作業ミスを起こす可能性も考えられるため、それを補うために土間工の作業が増えることになります。
今のところ誤動作は報告はされていませんが、ロボットが不自然な動きをしていないか常に注視しておく必要があります。
日々のメンテナンス
コンクリート床仕上げロボットは、当然ながら凝固する前のコンクリート面を走行するので、駆動部分やコテ部分などが汚れることになります。
ロボットの能力を十分に発揮するためには、作業後に汚れを落とすことが重要で、特に駆動部分のスムーズな動きを保つことがスペック通りの作業をこなすことにつながります。
コンクリートのこびり付きによる機械部分の動きの悪さは。放置しておくと重大な欠陥を引き起こす可能性もあります。
また、消耗部品の劣化度も定期的にチェックしましょう。
まとめ
コンクリート床仕上げロボットを使うときの注意点は、使用するメリットをよく理解し、ロボットの能力を引き出すようにすることです。
また、ロボットのデメリットもよく理解し、欠点を補うような作業を行うよう注意する必要があります。
コンクリート床仕上げロボットは、日々の取扱いやメンテナンスを丁寧に行うことによって、その素晴らしい能力を発揮してくれることでしょう。