粉体噴射撹拌機は、様々な現場で緩い地盤を固められる非常に有用な機械です。
この記事では、そんな粉体噴射撹拌機のメリットとデメリットをまとめます。
粉体噴射撹拌機の使用を検討しておられる方に役立てていただければ幸いです。
1 粉体噴射攪拌機のメリット
1-1 工事にかかるコストを抑えられる
粉体噴射撹拌機を使用して地面に粉粒状の改良剤を混ぜ込む工事は、土との混合比が少なく済みます。そのため、安価な工事が可能です。
また、粉体噴射撹拌機は既に埋設されている電線等を避けやすいという特性があります。
埋設物を掘り返したり戻したり・・・という余分な作業が必要なく、工事のコストを抑えることができます。
1-2 仕上がりの安定した工事ができる
土の状態や必要な強度に応じ、粉体噴射撹拌機で混ぜ込む改良剤は自由に調整することができます。
改良剤のバリエーションも豊富で、多くの地盤に柔軟に対応し、安定した仕上がりが期待できます。
また、粉体噴射撹拌機では加工深度や改良剤の供給量などが自動で記録できます。
憶測ではなくしっかりしたデータに基づいて工事ができるため、予測通りに工事を仕上げることができます。
1-3 現場や周辺への影響が比較的少ない
粉体噴射撹拌機での工事は地面に改良剤を混ぜ込むだけ。土を排出しないので、排土の処理に困ることがありません。
また、大量の水を使用することもありません。泥水で周辺を汚したり、付近の地盤をゆるくしてしまうことも避けられます。
粉体噴射撹拌機を使った作業は、騒音や振動が比較的少ないのも特徴です。近隣住民への影響も少なく、施工側の対策もそこまで厳重に行う必要がありません。
2 粉体噴射攪拌機のデメリット
2-1 地盤のトラブルが起こる可能性
粉体噴射撹拌機を使用することで地盤のバランスが変わり、トラブルが起こることがあります。
実際、粉体噴射撹拌機を使った工事を行った際に湧水が生じたというケースも報告されています。
このケースでは、地面の土質が予測と異なったために改良剤が行き渡らず、隙間ができてしまったことが原因でした。その後、遮水層を作ることで解決が図られました。
地面の状態を完全に把握するのは非常に難しいことです。
もちろん事前の十分な調査は必要ですが、万が一地盤のトラブルが起こった際に落ち着いて対処することが求められます。
2-2 地盤の緩い場所での作業は、事故の危険がつきまとう
粉体噴射撹拌機は、緩い地盤を固める機械。どうしても作業箇所の地面は安定しにくく、危険がつきまといます。
粉体噴射撹拌機と周辺の機材は、しっかり固定されていることを確認してから作業に入ることが必要です。
また、周辺にいる作業員や電線など、周囲の人や物を巻き込まないように配慮を払うことも求められます。
3 まとめ
粉体噴射撹拌機を使用した作業は、コストを抑えつつも安定した地盤固めを実現することができます。現場周辺への影響が少ないのもメリットのひとつです。
デメリットとして、どうしても地盤のトラブルや危険が発生する可能性があります。トラブルを起こさないための事前対策と、万が一トラブルが起こった際の冷静な対応が必要です。