粉体噴射撹拌機は、地盤を固める工事に使われる建設機械です。
この記事では、粉体噴射撹拌機の特徴や使い方、使用時の注意点についてまとめます。
1 粉体噴射攪拌機の特徴
粉体噴射撹拌機は、軟弱な地盤の中に粉状の改良剤を噴射していく機械です。同時に土と改良剤を混ぜ合わせて化学反応を起こし、地盤を強化します。
粉体噴射撹拌機は河川や港湾の護岸工事、地中トンネル付近の地盤固めなど、多くの基礎工事の現場で活躍します。
粉体噴射撹拌機で地盤を固めるためには、ドリルが1本貫入させるスペースがあれば十分です。
配管や配線が埋設されている場所でもうまく避けられるので、融通を利かせた作業が可能です。
舟状の機材を用いれば、粉体噴射撹拌機を使って河川や海上で作業することも可能です。
2 粉体噴射攪拌機の使い方
まずは、施工に使用する粉体噴射撹拌機を選定します。
大きなものからコンパクトなものまで、様々なタイプの粉体噴射撹拌機が存在します。現場の事情や求められる作業に応じて、適切なものを選択します。
現場では、まず施工位置に粉体噴射撹拌機をセットします。粉体噴射撹拌機をしっかり固定したら、先端を地面に貫入させていきます。
システム管理装置を見ながら、意図した深さまでドリルが貫入したことを確認したら改良剤を噴射していきます。噴射と同時に先端を回転させることで改良剤が撹拌され、土と改良剤が混ざります。
改良剤を噴射しながらドリルを引き抜いていけば、土と改良剤が混ざりながら先端が地上に出てきます。引抜きが完了したら点検を行い、次の場所へと移動します。
この作業を繰り返すことで、まんべんなく地盤固めを行うことができます。
3 粉体噴射攪拌機を使用する際の注意点
3-1 関連する機材とも合わせて安全確認する
粉体噴射撹拌機を使用するためには、他の多くの機材も必要です。
例えば改良剤を供給するためのタンク、圧縮空気を送り込むための機械、改良剤を運ぶタンクローリーなどです。
それぞれの機材は大型な場合が多く、作業している地盤が緩い場合は事故につながる恐れもあります。
粉体噴射撹拌機だけでなく、周囲の機材もしっかり固定されていることを確認しながら使用することが必要です。
3-2 電線を引っ掛けないように注意する
粉体噴射撹拌機は多くの場合、全長が十数メートルを超えるものです。
現場付近に電線が伸びている場合、作業に気を取られて電線に引っ掛けてしまうという事故が起こる可能性があります。
小型の粉体噴射撹拌機を使用することもできますが、何よりも上方の安全確認をしっかり行うことが必要です。
3-3 現場作業員の巻き込み事故に注意する
粉体噴射撹拌機は、オペレーター1人だけでは操作できません。周りでサポートしてくれる作業員の力も必要です。
回転しながら地面にドリルを貫入させるという特性上、ケーブルやロープなどを巻き込んでしまうと周囲にいる作業員も巻き込みかねません。
また、粉体噴射撹拌機を移動する際の不注意も人身事故を引き起こします。
オペレーターも周囲の作業員も、皆で安全確認を慎重に行っていくことが求められます。
4 まとめ
粉体噴射撹拌機は、改良剤を地面深くに直接噴射・撹拌する機械です。
地中の空きスペースや現場状況に柔軟に対応でき、融通のきく地盤固め工事が可能です。
使用の際には、意図した場所に改良剤が噴射されているかを管理装置で確認できます。
一部分ずつの地盤固めを繰り返し行い、全体的に地盤を固めていきます。
粉体噴射撹拌機を使用する際には、多くの点に注意が必要です。とりわけ周囲の機材や人、設備を巻き込まないように関係者全員が気を配ることが求められます。