フォークローダーのメリットデメリットを解説

フォークローダーのメリットデメリット

フォークローダーはおもに木材集積所などで活躍しています。

便利な重機ですが、メリットばかりではなくデメリットもあります。

ここではフォークローダーを有効活用していただくために、メリットとデメリットを解説します。

フォークローダーを使用するなら知っておきたいメリットとデメリット

クレーン装置付トラックのメリットデメリット

フォークローダーは、ショベルローダーに装着されているバケットをフォークに付け替えた重機です。

走行するときのメカニズムはフォークリフトに似ていますが、フォークリフトと違って車体前方にあるアームを前方に大きく伸ばすことができるのが特徴です。

フォークローダーは、特に円柱型で転がりやすい木材のような、不安定な重量物を運搬するには向いているというメリットがあります。

デメリットもありますが、あらかじめ特性を理解しておくことによってフォークローダーの能力を十分に発揮させることができます。

フォークローダーのメリットとデメリットを見てみましょう。

フォークローダーのメリット

フォークローダーにはいくつかのメリットがあります。

最も得意とする木材の運搬や積み込み作業には、他の重機の追随を許さない特化した性能を発揮します。

また、フォークリフトと同じく後輪を操舵するため、限られたスペースでも効率よく作業をすることができます。

以下で、フォークローダーのメリットをそれぞれ詳細にご紹介します。

不安定な重量物を運搬するのが得意

フォークローダーはフォークリフトと違って、フォークが長いリフトアームの先に装着されているので、フォークを自由自在に上げ下げすることができます。

さらに、フォークに大きな角度をつけることができるため、転がりやすい重量物も安定して運搬することができます。

このことは、フォークに浅い角度しかつけられないフォークリフトと違って、不安定な重量物でも運搬しやすいというメリットがあります。

それゆえフォークローダーは木材の運搬を得意としており、木材の貯蔵庫などで活躍しているのです。

木材の他にも、円柱形のコンクリート建材などの運搬や積み込み作業にも向いています。

限られたスペースでの作業が得意

フォークローダーはフォークリフトと同じく後輪を操舵するため、工場などの限られたスペース内でも作業がしやすいというメリットがあります。

このことは車体の前部をほぼ動かさずに旋回できるためで、無駄な動きが少なくなり、旋回するためのスペースが少なくて済みます。

しかも、後輪を操舵することによって、旋回時に車体の前部を目的の場所に合わせやすいため、狙った場所に荷下ろしすることが得意です。

同じ走行メカニズムを持つフォークリフトの運転経験が豊富な作業員ならば、フォークローダーもスムーズに乗りこなすことができるでしょう。

長いリフトアームを使用しての積み込みが得意

フォークローダーはショベルローダーから派生した重機なので、長いリフトアームを持っており、荷を高く持ち上げることができます。

また、リフトアームは前方に大きく伸ばすことができるので、荷を高く持ち上げながら前方へ押し出すことができ、トラックへ荷を積み込み作業するときに便利です。

荷の積み込み作業を行うときに活かされるのが、フォークに角度をつけることができる機能で、効率良く積み込み作業を行うことができます。

これによって、木材のような転がりやすい荷をトラックに積み込みやすくなり、フォークローダーが最も能力を発揮するときでもあります。

アタッチメントを交換すればさまざまな作業が可能

フォークローダーは元々はショベルローダーから派生した重機であり、ショベルローダーのバケットをフォークに付け替えて作業を行っています。

それゆえ、逆にフォークをバケットに付け替えて、ショベルローダーとして作業することも可能です。

特に山間部や寒冷地では冬季に除雪作業をしなければならない機会が多く、フォークローダーはバケットを装着して除雪作業にも使用することができます。

その他にも特殊なアタッチメントを装着することにより、さまざまな作業が可能です。

例としては牧場で使用するアタッチメントで、まとめられた牧草に突き刺して運搬するベールフォークや、つかんで持ち運ぶことができるロールグラブなどがあります。

フォークローダーのデメリット

フォークローダーは多くのメリット持つ反面、デメリットもあります。

その特殊なメカニズムのために、乗用車とは異なった車両感覚が求められるため、慣れるまでは注意して運転しなければならない点があります。

デメリットを事前に把握しておくことは、フォークローダーの能力を十分に発揮させ効率の良い作業が行えるだけでなく、重大な事故を防ぐことにもつながります。

以下で、フォークローダーのデメリットをそれぞれ詳細にご紹介します。

旋回時に外輪差が生じる

フォークローダーは後輪を操舵するため、旋回時に外輪差が生じることがデメリットで、車体の外側に巻き込みの危険性が生じます。

これは、普段乗用車やトラックしか運転していないと体験することのない感覚で、フォークローダーの運転に慣れていないと、人や物に衝突してしまう危険性をはらんでいます。

特にフォークローダーの運転に慣れるまでは旋回時に周囲の確認を怠らず、巻き込み事故を防ぐように注意する必要があります。

フォークリフトも同じく後輪を操舵するため、外輪差が生じるので、フォークリフトの運転経験が豊富な作業員ならば比較的スムーズに運転できるでしょう。

悪路の走行には向いていない

フォークローダーは基本的に前輪を駆動する2輪起動なので、激しい悪路を走行するには向いていないというデメリットがあります。

フォークローダーが作業を行う機会の多い木材貯蔵庫は屋外にあることが多く、地面が舗装されていないことがあります。

ある程度ならされた地面ならば問題なく走行できますが、フォークローダーはそれほど駆動力が高くないため、あまりに凹凸が多いとスムーズな作業を行うには支障があります。

フォークローダーは外見がホイールローダーとよく似ていますが、ホイールローダーは4輪駆動なため駆動力が高く、走行メカニズムも異なるため、より悪路に強い重機です。

無理な運転は転倒のリスクがある

フォークローダーは重量のある長尺物を運搬することが多いため、重量バランスに十分注意する必要があります。

フォークを荷の中心に合わせて運搬することが基本で、バランスの悪い運搬の仕方は避けなければなりません。

荷の中心に合わせて運搬していたとしても、特に旋回時には荷が左右に揺れるため、無理な旋回を行うと転倒のリスクがあります。

フォークリフトにも言えることですが、小回りが利くために必要以上に素早い旋回をしてしまうことがあります。

また、慣れた作業の場合は気のゆるみが出てしまうこともあり、効率を重視するあまり無理な運転を行い、実際に事故の報告も毎年何件か挙がっています。

長尺物であるがゆえに旋回時に遠心力がかかり、車体がバランスを崩す可能性があることはあらかじめ頭に入れておかなければなりません。

運転には資格が必要

デメリットではありませんが、念頭に置いておかなければならない点があります。

フォークローダーを運転するためには、専門知識と技能を習得するための講習を受講することが必要と、労働安全衛生法で定められています。

ショベルローダー等運転技能講習」とよばれる講習を受講すれば、最大荷重1トン以上のショベルローダー及びフォークローダーを運転できるようになります。

ショベルローダー等運転技能講習」は、メーカーなどが講習を行っており、座学と実技の両方を受講します。

講習を修了し、現場で荷役作業の業務に従事するときには、講習の修了証を携帯することが義務づけられています。

また、公道を走行する際にはこれとは別に、大型特殊自動車免許や小型特殊自動車免許が必要です。

ただし、公道を運転する免許を所持していても、公道で荷役作業をすることは禁じられているので注意しましょう。

まとめ

フォークローダーのメリットは、円柱形などの不安定な荷を運搬したり積み込み作業をすることが得意なことなどがあります。

デメリットは、後輪を操舵するために旋回時に外輪差が生じることや、無理な旋回を行うとフォークリフトと同じように転倒のリスクがあることなどがあります。

この記事を参考に、フォークローダーのメリットとデメリットを理解することによって、能力を十分に発揮させることができるでしょう。

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