グラウトミキサーの特徴とメリット・デメリットについて解説

グラウトミキサー

グラウトミキサーとはグラウト(建築や土木の現場で、コンクリートなどの隙間や亀裂を埋める液体材料)を混ぜ合わせるための機械です。目的に応じて槽容量の大きさや、単槽式、並列式などさまざまです。

では、グラウトミキサーはどのような経緯で開発され、どのような特徴があるのでしょうか?

一つずつ解説したいと思います。

1.グラウトミキサーの役割

グラウトミキサー

グラウト材は隙間や亀裂に注入し、強化・補修をすることが目的ですので、材料自体はサラサラとしています。グラウト材の特徴として、練り方のバラつきや水との混合比率によって強度に差が発生し、本来の性質が発揮できなくなってしまいます。

強度を落とさないように練るには、精密な練り込みが必要です。

グラウト材の粘性が低いので人力での練り込みは推奨されておらず、ハンドミキサーの使用が推奨されています。ただ、ハンドミキサーでは精密な練り込みと連続攪拌が困難です。

これらの課題を解決するために登場したのが「グラウトミキサー」です。

大量のグラウト材を用意する場合であっても、精密な練り込みや安定した連続攪拌も可能です。

また、攪拌しながらの移動も可能で、種類によっては注入も対応できます。

2.グラウトミキサーの特徴

グラウトミキサーには用途に合わせて数種類がラインナップされています。

メーカーによって仕様はさまざまですが、大きく分けて3つのタイプがあります。

以下に各タイプの特徴をご紹介します。

2-1 単槽式

単一の液体や小規模の薬液注入に使用されます。単槽式は高速攪拌や高粘性の混錬に対応可能なタイプが多いです。

2-2 並列式

機能としては単槽式と同様ですが、2つの槽で異なる種類の注入薬液の攪拌が可能になるだけではなく、1種類の注入薬液を2つの槽で攪拌することで時間短縮を図れます。

このようにユーザーの目的に応じた使い方を柔軟に選択することができます。

2-3 縦型2槽式

上下2槽式の槽内で上下の対流を起こさせることにより、材料の分離が少なく、流動性や均一性に優れています。

また、縦型なので設置スペースに気にする必要がなく、狭い場所での連続攪拌が可能になります。

3.グラウトミキサーのメリット

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省人化&品質良化

ハンドミキサーを使用した攪拌では、作業者一人が付きっ切りでハンドミキサーを動かす必要がありました。

また、人力では安定した攪拌が難しく良質なグラントを作り出すのは困難でした。

グラウトミキサーの登場によって、混錬までは作業者の介入が必要ですが、その後は無人で攪拌出来るので非常に効率的です。

そして、グラウトミキサーはサラサラしたグラウト材を継続的に高速度攪拌することが可能なので良質なものを安定して作り出すことが可能です。

水とセメント比の減少

グラウトミキサーのミキシング効果が非常に高いので、水の添加量を最小限にできます。

その結果セメントの圧縮強度が増大しますので一石二鳥です。

トラックに積載することで運搬が可能

グラウトミキサーの多くは100V電源で動作します(エンジンが動力となっているものもあります)ので、単槽式などのコンパクトなサイズのものはトラックの荷台に発電機と共に積載することが可能です。

その結果、自社で混錬し、攪拌しながら遠方へ注入薬液を運搬するといった使い方ができます。

ニーズに合ったミキサーを選択可能

上述していますが、グラウトミキサーには単槽式、並列式、縦型2槽式があります。

それぞれに特徴があり、ユーザーのニーズに合ったミキサーを選択することができます。

省スペースでの作業が可能

単槽式や縦型2槽式であれば、およそ1,500mm × 1,000mm程のスペースがあれば設置出来るほど非常にコンパクトです。

ちなみに並列式の平均的なサイズは2,500mm × 1,500mmにサイズアップします。

4.グラウトミキサーのデメリット

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メリットが多い印象のグラウトミキサーですがデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

混錬には技術が必要

グラウト材(無収縮モルタル)は粘度が低くてサラサラです。

混錬の時に良質な注入薬液を作れればグラウト材のメリットを十二分に発揮できます。

一方で悪質なものとなれば廃棄することになりかねませんので、混錬は技術ある作業者の手によって慎重に行うべきです。

ミキサーの選定を誤ると作業効率が落ちる

グラウト工法は、他の工法と比較するとコストが高めとなっています。

なので、ミキサーの選定を誤り大容量のミキサーで必要量以上の注入薬液を作ってしまうリスクがあります。

継続攪拌で対応できれば良いのですが、廃棄となると大きな損失となります。

グラウトミキサーの使い方と注意点について

  • プロペラの回転方向が正常かなどを確認
  • 吐出口蓋を確実に閉じる
  • 槽内に必要量の水を投入する 注意点として混錬時は水が先です。先に粉を投入してしまうと塊が発生し、良質なグラウト材になりません。
  • 水を攪拌しながら、粉上のグラウト材を少量ずつ投入 大量に投入してしまうと塊が出来て、良質なグラウト材になりません。
  • 少量の砂を投入しながら連続攪拌後に注入可能な状態に仕上がります 

6.まとめ

今回はグラウトミキサーの特徴やメリット・デメリットについて解説しました。

ミキサーの種類としては単槽式、並列式、縦型2槽式という3つのタイプがあることがわかりました。

施設(トンネルやマンションなど)には補修・修繕が必須です。

その作業を陰ながらサポートしてくれるグラントミキサは、わたしたちの生活に欠かせない機械となっています。

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