皆さん、モルタル(コンクリート)プラントを知っているでしょうか。
一般の方はあまり聞いたことがない人が多いと思いますが、モルタルプラントは建設現場で使われる一般的な設備です。
今回はそんなモルタルプラントがなぜ必要なのかメリット・デメリットと合わせて解説していきます。
モルタルプラントとは何か?
モルタルプラントとはセメント、水、砂、砂利、混和材料などを所定の配合で計量し、これを練り混ぜてモルタルを製造する設備のことです。
それぞれモルタルを製造するものをモルタルプラント、コンクリートを製造するものをコンクリートプラントといいます。ではなぜモルタルプラントを使用する必要があるのでしょうか。
それはモルタルプラントにたくさんのメリットがあるため、建設業界には欠かせない設備であるからです。
モルタルプラントのメリット
大量のモルタル・コンクリートを製造可能
モルタルやコンクリートは大型構造物を建設する際には数百kg、数千kgと大量に使用する材料です。
そのため、モルタル・コンクリートの大量製造が可能な設備としてモルタル・コンクリートプラントが有効となります。
現場で製造することもできますが量は少量であり、大量に製造するにはどうしてもプラントで製造する必要があります。
大量に製造して余ることはないのかと気になるかもしれませんが、コンクリートは様々な現場へ運搬されますし、必要な量を必要な分だけ製造することも可能なのでプラントでの製造が一般的となります。
品質を確保したモルタル・コンクリートの製造が可能
モルタル・コンクリートは手練(人力にてスコップで混ぜ合わせることでモルタル等を造ること)で製造する場合、どうしても力の入れ具合や混ぜ合わせる量などによって品質にばらつきが出てしまいます。
プラントで製造するモルタル・コンクリートは決められた分量や練り混ぜを機械的に行うことができるため品質が均一になり安全が確保されたコンクリートの製造が容易です。
また、混ぜる骨材の種類などによって各現場で必要とされている様々な種類のモルタル・コンクリートを製造することもできます。
安全で安心な構造物を製造するためにもプラントでのモルタル・コンクリートの製造が必要となります。
人件費等のコスト削減
モルタル・コンクリートプラントでは大量の材料を製造可能です。
そのため、プラントの設備費用や維持管理費用はかかるとしても、人力でモルタル・コンクリートを製造するよりはるかにコストを削減することが可能です。
現場への搬入も自分で購入して現場に持ち込みモルタルを製造するといった手間がいらず、プラントからミキサー車を通して現場へ搬入されるため時間効率もよいです。
ここまでモルタル・コンクリートプラントのメリットを説明しました。
人力では制限がある作業もモルタル・コンクリートプラントであれば容易に解決できます。そのため、モルタル・コンクリートの製造はプラントにて行うのが一般的です。
ではプラントにて作製することにデメリットはあるのでしょうか。
モルタルプラントのデメリット
モルタルプラント用の広大な土地が必要
モルタルプラントには骨材等の仮置き場やミキサー、ベルトコンベア等の設備を配置するための広大な土地が必要となります。
そのため、プラントの設置にあたっては山間部や工業地帯など場所の選定が大事になります。
近隣への影響
モルタルプラント等はどこにでも設置できるわけではありません。
なぜなら、騒音、環境への配慮などモルタルプラントがあることにより近隣住民への影響が想定されているからです。
そのため、モルタルプラントは地方自治体が定めている準工場地域・工業地域などの工場を設置してよいとされている地域にしか設けることができません。
ここまでモルタルプラントのデメリットを説明しました。
デメリットは説明した通り、建設関係特有の土地や周辺環境問題が主となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。モルタルプラントのメリット・デメリットを説明しましたが、総括すると建設業界としてはメリットのほうが大きいため設置場所や周辺への影響を考えながらモルタルプラントを設置しています。
モルタルプラントやコンクリートプラントは建設現場の材料となるモルタル、コンクリートを製造する大事な設備です。
大型構造物の施工では手練のような非効率的な作業は必要なくなりモルタルプラントで製造することが一般的です。
モルタルプラントは設計通りのモルタル、コンクリートを製造し安全な構造物を施工するために活躍しています。
皆さんが普段使用している橋やトンネルなどもモルタルプラントから製造された材料を使用していますので、気になった方は近くにモルタルプラントがないか調べてみるのもよいと思います。