皆さん、モルタル(コンクリート)プラントを知っているでしょうか。
一般の方はあまり聞いたことがない人が多いと思いますが、モルタルプラントは建設現場でよく使われる設備です。
今回はそんなモルタルプラントとはどのような役割があるのか説明していきたいと思います。
モルタルプラントとは何か?
モルタルプラントとはセメント、水、砂、砂利、混和材料などを所定の配合で計量し、これを練り混ぜてモルタルを製造する設備のことです。
それぞれモルタルを製造するものをモルタルプラント、コンクリートを製造するものをコンクリートプラントといいます。
ちなみに、プラントとは工場を意味する英語ですので、モルタル(コンクリート)「工場」という意味ですね。
また、モルタルとコンクリートって何が違うの?と思う方もいるかもしれません。
モルタルとコンクリートの違いは水・セメント・砂を混ぜたものがモルタル、水・セメント・砂・砂利を混ぜたものをコンクリートといいます。
コンクリートは砂利を混ぜている分、モルタルより強度が高く一般的に橋やダム、住宅など一般的な建設構造物の材料に使用されています。
モルタルはコンクリートに比べて強度が不十分であることから、壁の仕上げやブロックの接着剤の代わり、斜面の吹付けなど構造物の材料というよりは補助的な役割で使用されることが多いです。
ちなみに、大型のコンクリートプラントは「バッチャープラント」とも呼ばれます。建設業界では「バッチャー」と略して呼ぶことも多いです。
バッチャーとはバッチの意味で「1回に練混ぜることのできる量」をいいます。簡単に説明するとそのプラント設備にて1回でつくることができるコンクリートの量です。
一般的には品質のことも考慮して1~1.5m3ほどの量になります。様々な呼び方がありますが覚えておきましょう。
モルタルプラントの仕組みは?
次にモルタルプラントではどのようにモルタルやコンクリートを製造しているのか説明していきます。
まずはモルタルプラントの各設備について説明します。
ミキサー
各材料を練り混ぜる機械。しっかり練り混ぜなければ施工不良となり品質のよくないモルタル、コンクリートとなってしまうため、ミキサーでよく練り混ぜます。
計量機
各材料を軽量するための機械。強度を発揮するための正しい配合量を確保しなければ品質の良いモルタル、コンクリートは製造できないので、計量機を用いて材料を計ります。
砂・骨材置き場
大きい工場では大量の砂・骨材が必要となるため置き場を用意します。置き場からベルトコンベアを使ってモルタルプラントまで運搬します。
水槽
モルタル、コンクリートの製造に欠かせない水を入れておく水槽です。。ポンプなどを用いてモルタルプラントにて砂・セメントなどと混ぜ合わせます。
積み込みホッパー
製造したモルタル、コンクリートを生コン車へ積み込むための設備です。。ミキサーで練り混ぜた材料を生コン車に積める量に調整します。
モルタル製造過程
次にモルタルプラントでのモルタル製造過程は以下の通りです。
- 材料となる水、セメント、砂、骨材等をプラント内にベルトコンベア等で運搬する
- プラントに運ばれた各材料を計量機により必要な量だけをミキサ(混ぜる機械)に投入する
- ミキサーにて練り混ぜることでモルタル、コンクリートを製造する
- (大きいモルタルプラントの場合)完成したモルタル、コンクリートは積み込み用機械を通して、ミキサー車(生コン車ともいう)に積んで現場に持ち込む。
コンクリートの場合、建設現場で使用する際は「一度に大量」な量が必要なことが多いです。
そのため、生コン工場と呼ばれる大きい工場が存在します。生コン工場では砂や砂利を山のように積み上げていてベルトコンベアが設置されていますので、気づいていないだけで皆さんの地域にもあるかもしれません。
逆にモルタルは大量に必要なことが少ないので現場で直接材料を混ぜ合わせてモルタルをつくるケースや、現場内に小さなモルタルプラントを設置してそこでモルタルを製造するような現場もあります。
工場から運搬するのか、自分たちでモルタルをつくるのかは必要な量や運搬距離など総合的に判断して決定します。
まとめ
いかがだったでしょうか。モルタルプラントが身近な工事現場で使用されているのがわかっていただけたと思います。
モルタルプラントやコンクリートプラントは建設現場の材料となるモルタル、コンクリートを製造する大事な設備です。プラントで設計通りのモルタル、コンクリートを製造できなければ工事の進捗にも影響しますし、構造物そのものが安全でない可能性もあります。
皆さんが普段使用している橋やトンネルなどもモルタルプラントから製造された材料を使用しています。気になった方は近くのモルタルプラントを調べてみるのも面白いかもしれませんね。